鈴木ツタの作品集『あかないとびら』。
もともと作品自体の評価の高い鈴木ツタですが、この『あかないとびら』は特に人気が高いようです。
BLなりのときめきもちゃんと盛り込んでいるのですが、硬質な絵のせいかどこか現実的です。
ファンタジーできらきらした部分よりも、実際に起こりそうなBLストーリーの人気があがってきたということでしょうか。
おさめられているのは、3つの話です。
一つ目は表題作にもなっている『あかないとびら』と後日談『合わない鍵』。
タイトルから相手から壁を作られている感じがして切なさをにおわせます。
自分のことを好いているらしいという後輩の噂を聞いてから逆援を始め、距離をとった鬼畜な主人公と、大人しい顔をしていながらえろい妄想で頭を使っているその後輩のお話です。
受けが積極的過ぎるのは嫌だという人もいるかと思いますが、好きな相手に懸命に奉仕する姿に萌えを見出すことができるのではないかと思います。
2つ目の話のほうが個人的にはおすすめです。
『みにくいアヒルと王子様』は、王子様のような男と地味で目立たない男の出会い、かと思えば後日談『王子様の恋人は』では実はとんでもないサディスティック野郎だということが判明します。
好きな子の泣き顔が見たい、いじめたい、という王子面した駄目男です。
しかし、受けも地味ながら天然な反応がそそられます。
3つ目は13歳差の恋愛話です。
受けが39歳でスキモノという初心者にはハードル高めの設定となっています。
どの話も、片方が片方に振り回されるという形をとっているので、Mっ気があるの人におすすめします。